【現場スタッフ対談】青野さん×星さん「チームで『家』という居場所をつくる」

  • インタビュー

一人ひとりの思いに寄り添った個別サポートを行う「キノッピの家」には、さまざまな経歴とアツい思いを持ったスタッフがいます。

今回はサービス管理責任者の青野早苗さんと星陽子さんとで、「キノッピの家」の特徴や、働く中で大切にしている考え方について語り合いました。

自然体な人柄と関係に惹かれて

お二人は、もともと福祉関連の経験をお持ちで入社されたのでしょうか?

青野:私は高齢者の介護分野に携わっていました。その後、放課後等デイサービスや障がい者グループホームの立ち上げを経て、2022年12月からキノッピの家で働いています。

キノッピの家を知ったきっかけはなんだったのですか?

青野:前職の同僚がキノッピの家で働いたことがあり、「この社長はいい人だから」と教えてくれたんです。実際、社長の人柄に惹かれ、入社を決めました。

社長は常に利用者さんのためにどうすれば良いかを考えている人。私たちスタッフが利用者さんのために何かをしようとすると、すごく応援してくれます。自分たちの考えを尊重してくれますね。

社長の「みんなが幸せになればいい」という考えにも共感しました。最初にお会いした時のその言葉が今でも印象に残っています。

星さんは2024年6月に入社されたのですね。前職ではどんなお仕事を?

星:私もずっと福祉業界に携わっています。結婚後に勤務形態を変えたこともありましたが、障害児・者の入所施設や事業所で働いていました。

キノッピの家との出会いは、転職を考えていた時に、知人から求人を紹介されたのがきっかけでした。

「やさしい街づくり」というコンセプトに惹きつけられましたし、「優しさがあればできる仕事だよ」というメッセージを見て、きっと思いやりのある人たちが集まる職場なんだろうな、と感じて。見学してみたいと応募して、今に至ります。

お二人が思うキノッピの家の特徴はどんなところですか?

青野:仕事は忙しいのですが、「一人じゃない」という安心感があります。何かあればすぐに相談できる体制が整っていると感じます。

星:キノッピの家では、障害の有無に関係なく、あくまで人と人としてのフラットな関係が築かれていると感じます。利用者さんにとって必要なサポートを自然体で提供している印象がありますね。

「家」だから安心して話せる

相談しやすい環境を作るために現場で工夫されていることってありますか?

星:週2回の会議は、どんなに忙しくても流さないですね。欠かさずやってます。

青野:1つはサービス管理責任者と管理者全員が集まる会議で、利用者さんや世話人さんのこと、日々の支援で気になる点について話し合っています。もう1つは社長と会長を含めた全体会議です。ここでは会社の方向性や今後の予定についてしっかり話し合います。この2つの会議は重要ですね。

星:本当に大きいですね。そこで今まで知らなかったことを知ることができますし。

青野:会議では研修を行うこともあります。研修を通じて知識を再確認できるだけでなく、新しく学ぶ内容も多いですね。

研修内容は録画されているので、休んだ人も後から視聴できるようになっています。

星:研修内容は、日々の仕事で関わること、例えばサービス受給者証の見方とか、細かい知識に関することが多いですね。「業務で困らないように」というサポートが整っていると感じます。

青野:また、キノッピの家のコンセプトは「家」です。「施設」ではなく利用者さんの「家」なんですよね。

家という場所は、安心して相談できたり、気持ちを吐き出せたりする場所。だから利用者さんもスタッフもリラックスできる、話しやすい環境になるのだと思います。

その「家」の感覚はスタッフでどうやって育てたり、共有したりしてらっしゃるんですか?

星:「自由」を大切にしていますよね。

青野:キノッピの家では、ルールなどはあまり設けていません。

スタッフで共有しているのは、利用者さんのプライベート空間を大切にすることです。利用者さんが「いいよ」と言わない限り、部屋には入りません。

コミュニケーションも体調確認だけではなく、日常会話を大事にしていますね。「何が好きなの?」とか。

星:相手を知ることから始めていますね。

青野:失敗することもありますが、その後の関係修復が大切だと考えています。家族に怒ることってあるじゃないですか。それと同じで。

利用者さんもスタッフも人間なので、時にぶつかることもあるのですが、「そこで終わり」にならない関係づくりは意識していますね。

一人ではなく、みんなで支援している

スタッフの皆さんが自ら考えて動いているのが素晴らしいと思いました。そんなチームが実現できているのはなぜなんでしょうか?

青野:「チームである」という意識の高さでしょうか。

自分1人では24時間、誰かをサポートするのは難しいって、みんな分かっているんです。だからこそ、チームワークを高めるために会議やミーティングを重ねてますし、悪口や愚痴もほとんど聞かないですね。

星:そうですね。何か困りごとが起きたときは、スタッフの誰かにお願いするというより「みんなで解決しよう」という意識が強いと思います。

青野:たまたまその人が支援してるだけという感覚ですね。それぞれ担当は持っていますが、「みんなで一緒に支援している」という意識があります。私でも星さんでも他のスタッフでも、利用者さんの対応ができるように、情報共有は密にしています。

それは利用者さんの安心に繋がりますね。でも、情報量が多いとかえって大変になることはないですか?

青野:むしろ他の人にも知っておいてほしいですね。自分だけでなく、他のスタッフも状況を知っていると安心です。

星:たしかに情報量は多いので、その分知っていく努力は必要です。

正直なところ、私はまだ確認が追いつかない時もあるのですが、他のスタッフに聞くと経緯を丁寧に教えてくれるので、安心して対応できますね。

利用者さんを変えようとしない

生活の場だからこそ、日々さまざまな出来事があると思うのですが。大変なことが起きた時はどう対処していますか?

星: やっぱり一人じゃないから相談しますね。みんなで話し合って方向性を決めることができるのは心強いと感じます。

青野: 困った状況であるほど、利用者さんの思いをよく聞いて動いています。

私たちの困りごとではなく、利用者さんが困って起こしてる行動ですから、まずは話を聞くことを最優先していますね。

私たちは利用者さんを変えようとは思っていないんです。

利用者さんの願望や思いを否定せずに、「じゃあどうしようか」と一緒に考えます。すると利用者さんって自分で進んでいくんですよね。

星: そうですね。

青野: たとえば「将来一人暮らしがしたい」という利用者さんには、一人暮らしするには収入があった方がいいよね、生活リズムを整えた方がいいよねって。ちょっとずつちょっとずつ、前に進めるようサポートします。

利用者さんを第一に考えているのが伝わってきます。
最後になりますが、キノッピの家を知ってくださった人に、福祉を身近に感じてもらえるようなメッセージをいただけますか。

星: 私が初めて福祉に触れたのが、知的障害者の方の入所施設だったんです。その方たちの振る舞いを見た時に、「人として教わることもたくさんあるな」と感じました。「持ちつ持たれつ」という言葉がありますが、お互いに学ぶことがたくさんあると思っています。

青野: 障害のある人も私たちと変わらない思いを持っています。一人で暮らしたいとか、美味しいものが食べたいとか。

「自分の生き方は自分で決めたい」という願いに寄り添えばいい。そんなに難しいことじゃないですよ、と伝えたいですね。

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